鬼守の巫女


「要は今の俺達にとって、あいつも敵だって事だよ」

「……うん」

火伏さんのその言葉に小さく頷いて返す。

「土室さんと小金井さんは……火伏さん達を……その……」

「殺すでしょうね。裏切り者を赦してはならない……それが一族の絶対的な掟ですから。二人はやりますよ。一族の為になら」

声を詰まらせる私に被せる様に木住野さんはそう答える。

「どうしてそんなに一族の為に尽くせるの?私には……よく分からない」

その私の呟きに、二人は顔を見合わせると、小さく息を吐く。