「おはよう!」 リビングに入ると同時に声が掛る。 声の聞こえた方へ視線を向けると、そこには火伏さんと木住野さんの姿が見えた。 二人は窓際のソファーに座りながら、私に向かって小さく手を振っている。 「おはようございます」 ペコっと頭を下げてそう答えると、二人の元へと歩いて行く。 「早いんですね。まだこんな時間なのに」 木住野さんはそう言って壁に掛かっている時計を指差した。 壁に掛けられている時計を見ると、時刻はまだ朝の五時四十分を示している。