「どうして泣いているの?」 その少年の問いに、私はグッとブランコの鎖を握りしめる。 「また……おひっこししなくちゃいけなくなったの。せっかくともだちができたのに……お父さんなんて大っきらい」 そう言って私はポロポロと大粒の涙を零した。 泣き続ける私を宥める様に、黄色い猫は私の頬に体をすり寄せる。 不意に私を見つめ、立ち尽くしている少年の後ろの人影に気付いた。