トンと軽やかに猫が着地する感覚がした後……そっと目を開く。 そこには漆黒の闇の中に浮かぶ少し欠けた月と……洋館が見える。 状況が理解出来ないまま魏戎に地面に下ろされると、キョロキョロと辺りを見回した。 ……魏戎に浚われてきた時のあの洋館。 目の前の立派な洋館を見上げたまま、ポカンと口を開けた。 その私の横で、火伏さんが同じ様に間抜けに口を開いている。