「どこに行くの!?彩乃さんも一緒に……」 「私は……行けません」 私の呼び掛けに彼女は歩く足を止め、背を向けたまま小さく答えた。 「貴女に賭けたいと思ったのも私の本当の心。しかし私は朧源様と馨を置いて行く事は出来ない。たとえ……殺される事になったとしても」 彩乃さんはそう言って私を振り返ると、困った様に笑った。