「貴女達をお待ちしておりました」 彩乃さんはそれだけ言うと、私に向かって歩いて来る。 それに魏戎が警戒した様に鋭い視線を送るが、彼女はそのまま私に近付き、そして私の手を取った。 「これをお持ち下さい。いずれ貴女のお役に立つ事でしょう」 そう言って彩乃さんはニッコリと笑うと、何かを私の手の平に落とす。 「……石?」 手の平の上に置かれた二つの石を見つめ、困惑したまま彼女と石を交互に見る。