「……琥珀(コハク)!!」 「にゃ!」 魏戎のその呼びかけに、小さく猫の返事が返って来る。 猫はぴょこんと布団の上に現れると、朧源に向かってもう一度、眩い光を放つ。 それと同時に魏戎は私の腕を掴むと、そのまま廊下に飛び出した。 長い廊下を魏戎に腕を引かれるまま走り続ける。 しかしあまりにも早い彼の足に全く付いて行けず、足が縺れ上手く走れない。