鬼守の巫女


「……鬼か。わざわざ皇楼にまで入って来るとは……ずいぶん好戦的な奴だな」

朧源がそう言って笑うと、魏戎は小さく肩を竦めて見せた。

「こんなに早くここに来るつもりは無かったのだがな。非常事態だ」

魏戎は困った様に笑ってポカンと口を開けている私の手を取ると、そのまま私を立ち上がらせた。