「……ここに居る代表四十名と、捺さんを除いた各家の当主六名。それから凪様と朧源様の全四十八票で捺さんの罪が裁かれます。火伏分家などの代表の票が五票ぐらい。それと僕と凪様の票で二票……ぜんぜん足りませんね」

木住野さんは殆ど空気音の様な声で囁くと、それから私と同じ様に筆を手にした。

「とりあえず投票しましょう」

木住野さんはそう言ってニッコリと笑うと、白い札にそっと筆を走らせる。

それにつられる様に自分の札を取ると、そのまま大きくバツを書いた。

それから暫くすると木の箱を持った男が一枚ずつ札を回収していく。

そしてそれを壇上の前で開封し、それを読み上げて行った。