「それでも私は……巫女達だけを犠牲にし、のうのうと生きる平和を受け入れられない」 「……黙れ!!」 父のその言葉に男の人は苛立ったように強く机を叩いた。 「誰にだって自分の為に生きる権利があるのではないのですか?巫女も……当主も……一族の者達にだって。それに……朧源、貴方にも」 父は朧源を見つめそう言い放つと、微かに笑みを浮かべて見せた。