「……凪様。今暫くのご辛抱を」 木住野さんの微かな囁きが聞こえ、私の震える拳に重ねられた彼の手の温もりを感じる。 それに答える様に手から力を抜くと、木住野さんは優しく笑ってそっと手を放した。 「七宮……最後に言いたい事は?」 朧源はニヤリと不敵な笑みを浮かべ、首を傾げて見せる。 父は何かを考える様に俯くと、それから静かに顔を上げそっと辺りを見回した。