「……お父さん」 ギュッと胸を押さえたまま震える声で父を呼ぶと、父は俯く顔を上げ私を見つめた。 父は私に向かって優しく微笑むが、すぐに男達に引き摺られる様に壇上へと上げられた。 それから黒服の男達が父から離れると、周りの人達の冷たい視線が父に突き刺さる。 しかし父はその視線に臆する事も無く、ただ真っ直ぐに朧源を見つめていた。