鬼守の巫女


「捺様を侮辱するな!!今回の事は捺様に何かお考えがあって選ばれた結果だ!!捺様の考えは我々火伏総家の想いに同じ!!」

赤いラインの入った制服を着た男子生徒がそう声を荒げて返した。

「これだから火伏総家には困ったモノだ。一時の情に流され大義を見失う。それが何と愚かな事なのか分かっていないな。……火伏はもう終わりだ。今回の不祥事でそれは決定的なモノになった」

「まだ結果は出ていない!!」

「捺様は死罪になるさ。でもこれで清々したな。一族の面汚しが消えて」

「貴様!!」

黄色クラスの生徒の言葉に、赤クラスの生徒の顔が更に険しくなる。

すでに辺りには淀んだ殺気が籠り、その様子を他のクラスの生徒達が静かに見つめていた。