校舎の中に入り、教室に向かう廊下でおかしな光景が飛びこんで来た。 生徒達が廊下に集まり、なにやらガヤガヤと騒がしい。 「……やっぱりね」 木住野さんがその様子を見て呆れた様に笑って見せると同時に、誰かの怒声が聞こえて来た。 「お前ら火伏の分家はどう責任を取るつもりなんだ?二代に渡って一族を裏切るなんて最低だな。捺様も所詮は裏切り者の子供。所詮は先代と同じ愚かな罪人だったらしい」 黄色いラインの入った制服を着た男子生徒達が、そう言ってクスクスと嘲笑を浮かべている。