「あ、目が覚めたんですね?よかった」 そう言ってヒョコっと顔を覗かせた彩乃さんが嬉しそうに笑った。 「すまない。迷惑を掛けた」 「いえいえ」 彩乃さんに向かって土室さんは小さく謝ると、彩乃さんはニッコリと笑って首を横に振った。 「凪様、お時間を取らせてしまって申し訳ありませんでした。もう大丈夫そうなので、お部屋にお戻りください」 「は、はい」 彩乃さんのその言葉に頷いてそっと立ち上がる。