「手をお借りしてもよろしいでしょうか?」 「……手?」 彼女の問いに同じ様に言葉を返すと、彼女は深く頷いて返した。 「巫女には当主達を癒す力が備わっているんです。嫌でなければ彼の手を握ってあげてくれませんか?それだけでも彼の回復力は増す筈です」 「そんな力……私にあるの?」 「はい。巫女様ですから」 彩乃さんは至極当たり前だと言う様にコクリと頷くと、ニッコリと眩しい笑みを見せる。