「馨……お前は《こうなる事》が分かっていたな?」 その彼の問いに、馨さんの顔から笑みが消える。 「全ては朧源様の思惑通り……か」 そう言って眞水さんは自嘲気味に笑うと、冷たい瞳で馨さんを見つめた。 「何を仰っているのか、私には分かりません」 馨さんはそれだけ言うと、そっと背を向け部屋から出て行こうとする。