鬼守の巫女


「アンタが生きていたのは本当に奇跡みたいなもんだよ。もしアンタが鬼に喰われていたら?鬼は強大な力を手に入れこの皇楼を襲っていた筈だ。それに俺達当主も、朧源様も死に、巫女の血筋は絶たれていた。そしてもしも結界が壊されていたら?晴れて鬼は自由の身になり、この世界は崩壊を始めていた筈だ」

「……それは」

「誰が責任を取れる?捺サンの軽はずみな行動で、この世界も、俺達も危険に晒された事は紛れもない事実だ。だからあの人は責任を取らなきゃいけない。……前、火伏家当主と同じ様に」

小金井さんのその言葉に、眞水さんと木住野さんが少し表情を曇らせて俯いた。