「ごめんなさい。心配掛けて」 そう言って小さく頭を下げると、朧源は首を横に振って笑った。 「お前のせいではない。全ての責任は勝手な行動を取り、お前を守り切れなかった火伏と土室にある」 朧源のその言葉に、思わずゴクリと息を呑んだ。 「土室さんは大丈夫なの?それに……火伏さんは」 「土室はこの皇楼で眠っている。未だ意識は無いが、大事には至らない。当主達は並の人間より、頑丈に出来ているからな」 「……よかった」 土室さんが生きていた事に安堵し、小さく息を吐く。