「それで……何か面白いモノでも見えたのかしら?」

「いや……その……」

昨日の鬼の話が頭を過り、何と答えていいのか分からないまま静かに俯く。

するとその私の姿に少女は何かを理解した様に頷くと、少し鋭い視線を鬼の男に向けた。

「何か余計な事、教えたでしょ」

「……さぁな?」

不機嫌全開な少女の問い掛けに、男はニヤリと笑って首を傾げて返す。