「分かった。お前の望み、俺が叶えて見せよう。……約束だ」 男はそう言うと、私に向かって小指を立てた。 「……な、何?」 困惑したまま瞳を揺らして男を見ると、男は不思議そうに首を傾げて見せる。 「指切りだ。知らないのか?」 「それは知ってるけど……鬼もやるの?」 「当たり前だろう」 そう言って男は早くしろとばかりに、片眉を吊り上げて見せた。 何が当たり前なのか分からなかったが、そっと手を上げると、男の小指に自分の小指を絡めた。