鬼守の巫女


「ありがとう」

男はそう言うと、私に向かって小さく頭を下げる。

「別に。アンタ達の為じゃない。私も……自由になりたいだけ」

真っ赤になった顔を背け小さく呟いて返すと、男は少し可笑しそうにクスリと笑った。

「裏切ったら絶対に許さないから。死んだ後も化けて出てきてやる」

そう言って男を睨むと、男は困った様に笑って頷いた。

「それは怖いな。肝に銘じておくよ」

男はそう言うと、静かに私を見つめた。