「……結界を壊せば……そんな事をしなくて済むんだね」 私のその呟きに男は少し目を見開き、それからとても真剣な目をして深く頷いた。 「私……貴方を信じて見る」 その私の言葉に男はまた驚いた様に目を見開くと、それから嬉しそうに笑った。 その笑顔は思わず息を呑むほどに純粋で、無邪気な子供の様に見える不思議な笑みだった。