鬼守の巫女


「しかしそうしなくては魅麗が死ぬ。アイツだって本当は望んでいない。……いつも、泣いているからな」

「……泣いてる?」

「男が塵になって消える時、アイツはいつも泣いている。悲しい別れを惜しむ様に。愚かな自分を呪う様にな」

男のその言葉に、胸がツキンと痛んだ。

……望んでいない。

人間を喰らう事を、鬼は望んでいない。

あの子が男と抱き合い、最後に見せたあの瞳。

とても悲しく、切ない瞳だった。