「あの女の子の部屋に居た男の人……あれって誰なの?」 そっと俯いたまま男に問い掛けると、男は少し表情を曇らせ小さく息を吐いた。 「あれは……餌だ。魅麗はああやって時折人間を喰らう」 思っていた通りのその答えに、私の胸が酷くざわめいた。 「どこかから適当に浚って来たんだろう」 「死んじゃうの?……あの人」 「……そうだな」 男は短くそう答えると、私から視線を逸らして俯いてしまった。