「お前は変わっているな。人間のくせに鬼に興味を持つなんて、歴代の巫女が知ったら卒倒モノだな」 そう言って男はクスクスと笑うと、そっと窓から空を見上げた。 未だ空からは雨が降り注ぎ、部屋の窓を雨が叩いている。 その空を少し悲しそうに見上げる男の姿に、思わず息を呑んだ。 まるで人形の様に整った顔。 美しく靡く銀色の髪。 妖しく不思議な赤い瞳。 しなやかな肢体に、抜ける様な白い肌。 まるで芸術品の様な男の姿に、何故か胸が小さく高鳴った。 ……美しい鬼。 それは人を惑わし、人を狩る異形の者。