「ココ……貴方の部屋?」 その問いに男はコクリと頷くと、部屋の中へと入って行く。 その後を追う様に猫がピョコピョコと男の後を付いて行くと、それにつられる様に私も部屋に足を踏み入れた。 ……本当に何も無い。 部屋のど真ん中に置かれたごく普通のベッドの他には、窓際に置かれている観葉植物の鉢植えしか無かった。 男はドサリとベッドに腰掛けると、窺う様に私を見つめる。