「巫女が新たな巫女を生み、結界は今まで揺ぎ無く守られてきた。しかしお前の母、前巫女の手により、その結界は崩れた。お前と言う生贄を失い、結界は今尚も力を失い続けている」 「生贄って……」 「その通りだろう?結界を守る為に命を捧げる巫女など、ただの生贄でしかない。それどころか他の当主達もお前の為に生まれ、お前の為に死ぬ。哀れなモノだな。まるでおぞましい呪いだ」 男はそう言って笑うと、それから少しだけ真剣な顔をした。