笑みを浮かべたまま猫を観察していると、猫は私が食べ残したサラダのプチトマトを持ち上げる。 手の平に収まる小さな猫の体には、そのプチトマトがまるで大きなビーチボールの様に見えた。 そして次の瞬間、猫は大きく口を開くと、それをパクリと一口で呑み込んでしまった。 ……この子の体のどこに、プチトマトの入るスペースがあるのだろうか。 ……ってか、猫なのにトマト食べるの? そんな事を考えながら苦笑いを浮かべたその時、部屋の扉が勢いよく開かれた。