「にゃ」 猫は小さく鳴くと、窺う様に円らな瞳で私を見つめた。 ……可愛いかもしれない。 そんな事を思いながらそっと猫の頭を指で撫でると、猫は嬉しそうに目を細め、私の指にすり寄って来た。 それを見ていた少年はそのままクルッと背を向け、また部屋の外へと出て行こうとした。