「……分かりました」

そう呟いて、差し伸ばされる彼の手を……そっと握った。

それを見ていた父と火伏さんは悔しそうに眉を顰め、静かに俯く。

「……酷い人だね」

涙の溜まった瞳で土室さんを見つめそう呟くと、彼は少しだけ悲しそうに瞳を揺らし……それからニッコリと笑った。