「お前には失望したよ……捺。この事は朧源様に報告させてもらう。一緒に来てもらおうか」

「……彼は悪くない!連れて行くなら私を連れて行け!!」

父が土室さんに向かってそう叫ぶと、土室さんはまるで凍り付く様に冷たい笑みを浮かべた。

「もちろんお前は連れて行くさ。小金井家に預けるとしよう。そうすればこんな事態になる事は無いだろうしな。昇馬は不真面目だが、一族に対する信仰心は熱い男だからな」

そう言って土室さんは笑うと、ゆっくりと私に近付いて来る。