「お~い!帰るぞ!」 そう言って早くしろとばかりに、火伏さんが手招きをしている。 「は、はい!」 ガタンと机を揺らして立ち上がると、鞄を手にして彼の元へと小走りで近寄る。 「稔!じゃあ俺が送って行くからよろしくな!」 火伏さんが机に突っ伏したままの木住野さんに声を掛けると、木住野さんは少しだけ顔を上げて小さく頷いて返した。