「お前が傍にいなければ俺達はお前を守れない。だから……逃げようと考えないでくれ」 そう言って彼は窺う様に私を見つめる。 ……誰だって死にたくない。 ましてや他人の動向で生死が決まるなんて嫌に決まっている。 ……きっと彼も私と同じ。 逃れなれない運命に流されている。 絶対に逆らう事の出来ない道を歩み続けて行く。 「……うん」 小さく答え頷いて見せると、彼はもう一度「ごめん」と呟き……それから何も話し出さないまま、太陽の照り付ける道をどこまでも歩き続けた。