「あれが火伏家のビルだ」 彼が指差す方へと視線を移すと、そこには天にも届く様な高層ビルが見えた。 「あそこが街の境目。この街はほぼ円形の土地だ。五代本家のビルがその境目になっている」 彼のその言葉にグルッと辺りを見回すと、彼の家のビルと同じ形のビルが四つ見えた。 ……彼等のビルが街の境目。