僕は、つぶやくように言った。
「 ・・・とりあえず、礼は言うよ。 とにかく、早く元に戻りたい・・・! 」
「 戻れなかったら、どうする? 」
そんな事、考えたくも無いわ。
星野は、平気なのか? 男として、生きて行けるのか? とりあえず、かすみは
返してもらうぞ。
「 このまま、女の体で生きて行くなんて、冗談じゃない! 」
僕が言うと、星野はしばらく考え、ブッ飛んだ事を言った。
「 もしそうなったら・・・ お前、あたしと結婚しろ。 それしか無いぞ? 」
なっ、なんですとぉ~っ!? ホンキか、星野! そんなの考えられん! マジかよ。
唖然とする僕に、星野は続けた。
「 中身が、違うだけだろ? 生理学的には、何ら問題は無い。 ・・・でも、ちょっと無理があるか。 あたし的には、別に構わんが? 」
・・・すっげえ、問題あると思います。
最大の、関心事・・・ 夜の営みの事です。 僕・・ 僕に、ヤラれちゃうの・・・? イヤです。
星野は言った。
「 裸を見られたら、その人の所へ嫁に行くのは、順当な定めだ 」
見とらんっちゅ~にっ! ・・・見たっけ・・・ しかも、局部を・・・!
僕は言った。
「 そんな古風な考え、天然記念物モンだぞ? 星野 」
「 何か、お前の、超平和的な生活環境に、慣れて来たせいかな? こんな生活も、いいかな? って思うんだ 」
そりゃ、僕の生活だ。 はよ、返せ! かすみとデートさせろ!
・・・経験した事の無い生活に、星野は、ハマって来ているらしい。 こりゃ、一刻も早く戻らんと、エライ事になりそうだ。 元々、純情そうな性格の星野だけに、事態は急を要する。