僕は言った。
「 今回は、マサがいれば、問題ないんじゃないか? 別に、あたしがいなくても・・・ 」
芹沢が答えた。
「 会頭は、私たちの旗印ですよ? ご不在だなんて、考えられません。 矢島を倒すのは、会頭でなくては・・・! それでこそ、鬼龍会の存在が他校に示せれるんですから 」
皆も同意のようである。
・・・非常に困った。
実情を知る星野だけが、僕の心情を察し、ニタニタしている。 ちくしょう、代われ、お前。
星野が、僕の不安解消を配慮してか、僕の顔を見ながら言った。
「 まあ、風紀局と副長さんがいれば、会頭の出番は、無いだろうね。 デンと構えていればいい 」
その言葉に、マサは、ニヤニヤし始める。 実験体となる哀れな連中に、今度は、どんなワザを掛けてやろうか・・・ そんな顔だ。
確かにクーデターの先頭に立つ必要は無いだろうが、矢島と全く一戦を交えないワケには、いかないだろう。 やはり最後のシメは、僕の出番だ。 皆もそれを期待している。
・・・やっぱ、不安だ。
てゆ~か、めちゃくちゃ不安である。 海南の時とは、違う。 あんなにウマく行くとは限らない。 もしかして、矢島が、怪物のようなヤツだったらどうすんだ? 星野も、もうち~と現実を直視しろよ! まがりなりにも矢島は、不良グループの頭なんだぞ? 僕は、真面目~な一生徒なんだ。 平和で、ささやかな青春を謳歌させろ!

僕の不安とは関係なく、巨頭会談は、さり気なく進んでいった・・・