朝倉は続ける。
「 子細は、芹沢と星野様の間で、ツメて頂きましょう。 細部まで知る人間は、少ない方が良いです。 敵を欺くには、まず味方から・・ と言いますし 」
う~ん、カッコいいよ、美智子ちゃん。 君は、孫子のようだね。 まさに、高級参謀だ。 ・・で、僕は、ナニをすれば、イイのかな?
朝倉が言う。
「 会頭。 いかがされます? 矢島と、一戦された後の事なんですが、常盤の残党の処理です 」
・・・は? 一戦って、ナニ?
「 残党狩りまでウチが関わると、新政権の、彼らの顔がありません。 かと言って、彼らに任せておくと、弱体である彼らでは、収拾が付かないのではないかと・・・ ヘタをすれば、内輪モメで、内戦も考えられます。 最悪は、分裂の危機も・・・ 」
勝手に分裂させておけば、よろしい。 それより、さっきの一戦って、ど~ゆ~コト? ねえ。
芹沢が、朝倉に言った。
「 次長。 何なら、ウチの局員に常盤の制服を支給して、参加させましょうか? 副長や、会頭もいらっしゃる事だし、矢島を片付けるのは早いと思います。 ウチから協力戦力として参加したのは会頭と鬼頭副長だけ、と思わせた方が、何かと都合が良いのでは? 」
・・・僕、その戦力に、プラス・ワン、ってならないと思う。 やっぱ、体育座りして、大人しく見ていたいんだケド・・・ ダメ?
マサが言った。
「 涼子の案に賛成だ。 そうすれば、連中の顔も立つ。 あくまで、旧政権を打倒したのは、常盤の新勢力であるという事にしておいた方が良い。 ウチは、わずかな手数で、それに加勢しただけ、という事だ 」