キャラクター人形は、続けて言った。
「 私の名前は、サバラス。 M16星雲からやって来た。 よろしくな 」
僕は人形の頭を撫でながら言った。
「 よく出来た、人形だな。 喋るんか・・・ もういっぺん喋れ、コイツ 」
僕は人形の頭を叩いてみた。
人形はペコちゃん人形のように、頭をポワワワ~ンと揺らしながら答えた。
「 こらこら、やめんか。 目が回るぞい? 」
どうやら、生き物のようである。
こんな、へんちくりんな生き物は見た事が無い。 新種の生物だろうか? でも今、喋ったぞ・・・?
僕は彼の身長に合わせ、少し、しゃがみながら尋ねた。
「 ・・・お前・・・ 言葉が分かるのか? 」
彼は答えた。
「 日本語は、マスターしたつもりだ 」
こりゃ凄い。
どういう生き物か知らんが、会話する事が出来るらしい。
サーカスか、びっくり館に売り飛ばしたら、結構、いい金になるかもしれん。
彼は言った。
「 お前さん、私を宇宙人と、思ってないようだな? 」
・・・多分な。
彼はサングラスをクイッと上げながら、自慢気に言った。
「 私は、未生物調査学者である。 昨晩、ランダムに選び出した君の体を使って、とある実験をした。 そしたら、何か知らんが、誰かの体と入れ替わってしまったようでな。 いや、すまんすまん。 はっはっは! 」
爽やかに笑ってんじゃねえよ、人形! そんな話し、誰が信じるか。
どうせ、どっかから、リモコンで操作されてんだろ?
僕は、彼を摘み上げると、足の裏や背中辺りにアンテナかコードが無いか調べ始めた。
・・・しかし、そんなものは、どこにも無かった。
人形が言う。
「 入れ替わり原因は、今のところ不明である。 とりあえず、君の生活環境は、変化したメスの環境に合わせておいた。 知人たちの記憶も、すり替えてある。 不自由かもしれんが、研究に協力してくれたまえ。 じき直すよ。 じゃ・・・ 」
いきなり、彼の姿は消えた。