全員が、僕を見つめる。
・・・ナニか、言えってか? 降参しまあ~す、って言ったら・・・ どうなるの?( 正直な、キモチ )
僕は、とりあえず無言でいた。
はっきり言って、どうしたらいいのか分かんないもん。 すっげ~、ヤバイ事になってる
のは、理解してんだケド・・・!
朝倉が言った。
「 海南が、本当に人質を取ったのかどうかも、調べる必要があるわね・・・ 明日香、その事について、何か記述は? 」
正木は答えた。
「 追伸があります。 ・・人質は、多岐学園二年生の、河合 かすみ。 デタラメだと思うなら、調べてみろ。 実在する生徒だ・・・ 」
なッ・・!!
「 かっ・・ かすみ、だとォッ? 」
僕は叫んだ。
びっくりした様子で朝倉が、僕に尋ねる。
「 ・・お知り合いですか? 会頭・・・! 」
「 あ・・ う、い、いや・・ ダチだ・・! 中学以来の・・・! 」
とっさに、僕は繕った。
「 先日、お会いしていた方ですね? 」
龍二が言った。
僕は、無言で頷いた。
「 会頭の、マブダチを拉致するとは・・・! 連中、ホンキのようだな・・・! 」
マサが言った。
拳を握り締め、プルプルさせる、僕。
かすみ・・・! 拉致されてしまうなんて、なんて可哀想に・・・! おンのれェ~、あの、茶髪男めがあァ~・・!
怒りが沸騰して来た。 延髄切りくらいでは、済まさんっ! 僕の大切なかすみに触っ
た野郎は、生かしちゃおかんッ! 即刻、八つ裂きにしてくれるわっ!
「 サブっ! 車を回せいィッ! ブチ殺してやるわァーッ! 」