龍二が手招きをし、サブの車を回す。
後部座席のドアを開ける、龍二。
・・・また、極道の妻のような、乗車の仕方か。 いい加減、この、凄んげえ目立つエスコート、ヤメない?
龍二は乗車する際、健一らを、じろりと見たあと、無言で乗車した。

「 姉御。 お友だちですか? 彼らは 」
走り出した車内で、龍二が、僕に尋ねた。
「 ・・・ああ。 あたしの大事な、情報入手先でもある。 特に、女の方はな。 無二の親友だ 」
「 見たところ、カタギのようですね・・・ 」
君らは、ヤクザかね?
「 真実は常に、一般心理の中にあるものだ。 風のウワサは、意外と、信憑性がある。 今、我々に必要なのは、偏った情報ではない 」
エラそうに、僕は一席ぶった。
「 さすが、姉御。 恐れ入ります・・・ 」
かしこまる龍二。
「 勉強になりますわ 」
サブが言った。
・・・お前は、とりあえず、原付でもいいから、免許を取れ。