驚きの表情で、芹沢は答えた。
「 えっ? いつ? 」
「 先週、隅田川に浮いていたわ 」
言葉が無い様子の、芹沢。
「 そんな・・・! 明美とは、中学以来のダチだったのに・・・・! 」
・・・これは、ホントに高校生の会話か? こんな、おっそろしいトコ、おれん・・・! おしっこ、したくなって来た。
朝倉が、芹沢に続ける。
「 明和女子の、榊原も消されたらしいわね・・・! 副長の梶田 真澄ってのが、海南の武村とつながっていたらしいの。 灯台、基暗しね・・・! 」
マサが、朝倉に尋ねる。
「 その情報は、確かか? 」
朝倉は、隣にいた長い髪の女子部員に耳打ちをした。
( この女生徒は、名簿で見たぞ・・・ 監査役の、二見 理恵って言う二年生だ )
彼女は、立ち上がり、隣の普通室へ行くドアを開けると、誰かを手招きした。 幹部以外の数人が、隣の教室で待機しているらしい。
呼ばれて部屋に入って来たのは、他校の制服を来た女子だった。
二見が、皆に紹介する。
「 明和女子に潜入していた、藤村です。 榊原とも厚意にしていた関係上、消される可能性があったので、今日、呼び戻しました 」
・・・あんたら、他校の制服を着て、勝手に出入りしてんの? 凄げえフットワークだね。 スケールが違うわ・・・! 他にも、アッチの教室には、各校の制服を着たスパイが、沢山いるのだろうか?
藤村が報告する。
「 正確には、副長の梶田と、渉外の岸本という二年生が、海南とつながっていたようです 」
「 やはり、岸本だったか・・・! 武村と一緒に、繁華街を歩いている姿を、目撃した部員がいたわ。 あの、雌狐め・・・! やってくれたわね 」
芹沢が、口惜しそうに言った。