朝倉に連れられ、最上階の奥にある鬼龍会本部へと、僕は案内された。
入り口に掲げられた杉板に、墨で『 鬼龍会 』と書いてある。 なかなか達筆だ。 どうやら、古い視聴覚室らしい。
隣にあった調整室のドアを朝倉が開け、僕を招き入れた。
「 幹部が揃いましたら、お迎えに上がらせます。 では・・・ 」
そう言うと朝倉は、お辞儀をし、隣の視聴覚室へと通じる別のドアを開けて入って行った。
・・・ここは、星野の執務室らしい。
少し大きめの事務机があり、壁際の棚には色んな資料のファイルが入れてある。
窓際の壁には、額縁に入れられた男子生徒の顔写真が二つ、掛けてあった。
「 へええ・・・ どうやら、歴代の会頭らしいな 」
星野は、三代目のようだ。
額の写真を見ると、下の方に書いてある名前の横に、享年十八才とある。 その隣の生徒は、享年十七才。
「 ・・・・・ 」
ここのコレクションに、加えられないようにせねば・・・

棚のファイルの中から、鬼龍会の名簿を見つけた。 写真付きである。
( 今から、会議だそうだから、顔と名前を覚えなきゃな・・・! )
副長 マサに、幹事長 龍二。
次長の、朝倉もいる。 おっ、サブ、発見・・・! 幹事長 助勤か。 随分とエライじゃないか。 ん? お前、早乙女 三郎 って言うのっ? ギャハハハハ! 傑作だわ!
ふと机の上を見ると、サバラスが正座して、湯飲みの茶をすすっていた。