かすみが、僕に聞いた。
「 健一は、そのまま、美津子先生の部屋にいるのね? 固まったまま 」
僕が答える。
「 ああ。 僕の体を、健一の真ん前に置いておいたから、元に戻った瞬間、ヤツは美津子先生のお説教中、というワケさ。 いいシチェーションだろ? 」
多分、ヤツは、ナニが何だか分からん状態に陥るだろう。 パチンコしていたはずだったんだからな。
美津子先生も、いきなりトイレの中にいた記憶から、説教中の状態へとジャンプするわけだから、少々、戸惑うかもな。 しかも、昨日のイベントの記憶もプラスされるから・・ 一瞬、気が動転するかも。
まあ、今日も健一を呼んで、お説教したと判断してもらおう。 記憶が曖昧で、つながらない所も出て来るだろうが、多分、大丈夫だろう。 ・・・健一は、アホだから、そのまま鵜呑みだ。
「 さあ、やってもらおうか、サバラス・・・! これで、最後にしてくれよ? 」
僕は、サバラスに言った。
電子手帳を操作していたサバラスが、チラッとこちらを見て、答える。
「 当然だ。 これ以上の、ゴタゴタは沢山だ 」
・・・てンめ~・・! 相変わらず見下げたような、ムカつく言い方するじゃねえか。 おお? 何様のつもりだ、コラ。 ノックしてやろうか? コッチは、被害者なんだぞ? 立場、分かってんのか、お前。
電子手帳をしまい、サバラスが言った。
「 よし! 準備完了だ。 覚悟は、いいかね? 」
・・・ナンの覚悟だ? コラ。
また失敗して、今度は犬だったら、食い殺してやるからな・・・! アメーバだったら、てめえの体の中に侵入して、細胞を破壊してやる。