通りの巡回は、鬼龍会 風紀部員が見回っており、一般客が投げ捨てた、タバコやゴミを
拾って回収している。
「 通りの真中に、ポリバケツを用意しろ! 空き缶は、そこに入れるんだ。 ちゃんと、スチール・アルミ・ペットボトルに分けろ! 」
星野が指示する。
「 野郎共っ! 落ちている発砲スチールの皿を拾え! 鬼龍会さんに、遅れを取るんじゃねえぞっ! 」
神岡も、負けてはいない。
警察も、その姿を確認したのか、二台いたパトカーのうち、一台は帰って行った。 残った一台に乗っていた警官も、募金ブースの横で、引ったくり防止を呼びかけるチラシを配り始めた。

「 素晴らしいわ! 美津子さんっ! 休日に、こんなに大勢のお客さんが来てくれるなんて・・・! しかも、若い人たちばかりじゃない・・・! 」
祥一と共に、会社前に来た母親は、声を上げた。 予想外の盛況ぶりに、信じられないような表情だ。
僕は言った。
「 既に、来週も出店したい希望者が、多数います。 中には、来月の予定を予約したい子たちも・・・ 」
昨日の夜から、徹夜で手伝ってくれた商店街の会長も来て、言った。
「 菱井さん! イケるよ、これは! いやあ~、この女先生のアイデアには、たまげたね! わしらにゃ、考えつかん 」
母親は、ニコニコ顔で言った。
「 そりゃあ、私の息子の彼女ですから・・ ね? 美津子さん 」
・・・ゲンキンな親だ。
とりあえず、笑顔を返す、僕。 祥一も、嬉しそうだ。