「 進路? ああ、進路指導の先生から、聞いたわよ? あなた、進学希望ですって? 」
「 ・・はあ。 ツレに、みちるってヤツが、いるんですけど・・・ そいつが進学するんで、オレも大学、行こうかなって 」
確か以前、ヤツは、そんな事を言っていた。 会話を持たせる為に、僕は、その話しを切り出した。
美津子先生は答える。
「 完璧に、ムリね。 あたなの成績じゃ 」
・・・こりゃまた、キツイお言葉。
完璧に、と来ましたか・・・ 後が、続きませんわ。 予想は、してたケド・・・
美津子先生は、持っていた湯飲みをテーブルに置くと言った。
「 あなた、大学に、何しに行くの? 」
・・・多分、ヤツは、コンパ三昧したいのだと思います。 身分不相応にも、フェ○スのお姉さまたちと、コンパしたいのだそうです。 そんでもって、バイトは、パチンコ屋にすると申しておりました。 人生、ナメてますよね? 実際。 やっぱ、隅田川に浮けと・・・?
僕は答えた。
「 何つ~か、その・・・ 人生の4年間くらい、遊んでいる時期があっても、いいんじゃないかと思うのですが? 」
殴られるかもしれん・・・
しかもヤツは、中学と合わせ、既に5年ほど遊びまくっている。
でも美津子先生は、じっと僕の顔を見た後、意外な事を言った。
「 面白いかもね 」
足を交互に崩し、組替える。 チラリと、スーツスカートの奥が見えた。 黒いストッキングを履いた太ももが、妙に妖艶に見える。 ・・・オトナの魅力だ。 僕は、ドキドキし、思わず視線を外した。
「 あなたのね・・ そう言う正直なトコが、いいトコなのよね。 遊ぶ・・ かあ~・・・ そうねぇ~・・ 先生も、サークルやボランティアなんかで、よく家を空けてたなあ・・・ 」
・・・そりゃ、自己啓発ですよね? ヤツのは、完璧に遊びっス。 同意しない方が、いいですよ? アホだから。