刺青男が答えた。
「 面倒くせえっ、ヤッちまえ! 後でゆっくり、聞き出せばいいんだ! 」
ナイフを構え、刺青男が襲い掛かって来る。
ちょっと待て、お前ら! 情報屋の女って、ナンだ・・・? そりゃ、かすみの事かっ・・・?
僕は、とりあえずロイヤルの空き瓶を振り回し、応戦した。 ・・・と思ったら、瓶ネックのコルク栓が、ポンッという音と共に抜け、分厚いガラス瓶の底が、突進して来る刺青男の顔面を直撃した。
ゴキッ・・・!
「 ぬがぁっ・・!! 」
カウンター気味に直撃した、ロイヤルの空き瓶。
これもまた、痛そうだ。 仕上げに、先ほどから持っていたジョニ黒を、脳天にお見舞いする。
グワシャーン! パリン、パリーン・・・
うつ伏せになって倒れた、刺青男。
しばらくヒクヒクしていたが、やがて静かになった。
僕は、横にあった窓ガラスに自分の姿を映してみた。
「 ・・・・・ 」
何で、僕・・・ かすみになってるの・・・・・・?
ガラスに映った僕の姿は、紛れも無い、あの愛しいかすみだった。