次の路地を回った所で、僕は立ち止まり、一息尽いた。
サバラスが背中から飛び降り、言った。
「 実は、明日の予定が変更になったのだ 」
そら来た・・・! 大体、想像ついてたぜ。 いつだ? あさってか? 一週間後か? それとも、半年後か? もういい、スキにせえ・・・!
「 今日、行う! 」
「 ・・へっ? 」
「 へっ、じゃない。 もうすぐだ 」
「 ・・・・・ 」
「 あと、2分 」
「 ・・・おい 」
「 間違えた、あと、30秒 」
「 おいッ! フザケんな! こんなトコでやるんかよッ!? 」
「 GOォ~ッ! 」
「 ごおお~、じゃねえっ! 陶酔すんな、てめえ! もっとこう・・ 厳かにだな・・ 」
「 いましたッ! 神岡さん、コッチですっ! 」
しまった! 見つかった・・・!
時遅し。 二人の男が、路地から出て来た。 神岡も、後から姿を表わす。
( ・・先手必勝ッ・・!! )
僕は、足元に転がっていたビールビンを掴むと、路地から顔を出したばかりの神岡の頭をブン殴った。
バキャッ! パリーン、カラカラ、カラ・・・
粉々に割れたビールビンの破片が、そこいら中に飛び散る。
「 ・・お・・お・・・ お 」
神岡は、口を開けたまま、目の下辺りをヒクヒクさせている。