「じゃなくてっ」
「???」
はぁっと息を吐き出す稀衣ちゃんを、オレは不思議そうに見つめた。
「家の事とかはいーの」
いやでも、いいのかな…?
「あたしが、会いたかっただけ」
「え、あ…」
視線をオレから少し外して言う稀衣ちゃんが、可愛かった。
普段冷静な彼女だけど、こんな時だけ見せる表情。
それが、オレと話してる時だけだと思うと、自然と頬が緩む。
「オレも!」
ニッと笑顔を向けると、顔を上げてクスッと笑った。
よーし!
クリスマスまで、補習頑張ってやる!
キノッチャンのことだから、24日も本当に4時に終わってくれるかどうか。
それだけが心配だけど。
「純平いいの?邪魔しなくて」
「バーカ。そんな暇じゃねーよ」

