「ちょっとワン?!」
「純平も、なに鮎沢ちゃんと一緒に殴ってんだよ?!」
「いや…体が勝手に」
「ワン!早く追いかけなっ…て、あれ?!」
「ワンならもう行った」
「速?!」
なになになになになに。
なにが起きたのさっき?!
しかもワン突き飛ばしちゃった。
大丈夫かな…?
「……はぁ」
あたしは、中庭のベンチに腰を下ろした。
いつの間にか、外は真っ暗になっている。
気付かないほど、楽しんでたのかな。
「稀衣ちゃん…!」
!!!
少し息を切らしながら、追い掛けて来てくれた。
そして、
「…ゴメン、ナサイ」
まず1番に謝ってくれた。

